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『話がつうじないの正体ー共感障がいという謎ー』Vol.134
著者:黒川伊保子
発行年月日:2022年2月28日
出版社:新潮文庫
こんにちは、Side&bisです。
私の大好きな脳科学研究者の黒川先生の本は、
これまでもこのブログで、何冊かご紹介して
いますが、共感障害という言葉にとても興味
を惹かれます。
黒川先生が書かれる共感障害についての内容は、
今回の本が初めてではないのですが、私がいつ
も心を救われるのは、黒川先生の本は、やたら
不安や恐怖を煽るような書き方をされていない
こと。
この共感障害についての今回の内容も、原因が
あって、現象や状態があって、確かにコミュニ
ケーションは取りにくいし、心折れるけど、
双方、解決策や緩和策はあるのですよ・・・
といったことをきちんと説明してくれています。
本の中では、自閉症やADHDのコミュニケーシ
ョンの難しさについて詳しく描かれてあります
が、もう一つ、進化型共感障害と名づける障害
が、1990年代後半以降に生まれた世代が特に
比率が高くなっていることについて、デジタル
媒体が生活で欠かせなくなってきた事に起因
した具体例や原因が書かれてあります。
特に生後数年間のコミュニケーションの取り
方が、後の共感に影響するミラーニューロン
の成長に欠かせないというお話は、これか
ら子育てをする若い世代に知っておいてもら
いたい内容です。例えば、母親が赤ちゃんに
母乳を飲ませるとき、その視線が赤ちゃんを
見つめて微笑みかける事が多いければ、ミラ
ーニューロンの活性化に影響するというお話
しなど・・・
結局のところ、共感障害に特有の、うなずか
ない、心が通じない、気が利かないという事
に悩むことがあったとしたら、そこで必要な
のは、やはりコミュニケーションであり、
コミュニケーションの取り方の枠組みという
ことで、分かりやすく説明することや、問題
になることを相手に具体的に伝えることなの
だと黒川先生は言われているように思います。
親子関係、学校での友人関係、職場での対人
関係などでなんか通じ合えない感覚をお持ち
の方には、参考になる1冊だと思います。
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