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『どうしても頑張れない人たち-ケーキの切れない非行少年たち2』Vol.131
著者:宮口幸治
発行年月日:2021年4月19日
出版社:新潮新書
こんにちは!side&bisです。
今回ご紹介する著書は、このブログでも以前ご紹介した、
「ケーキの切れない非行少年たち」の続編になります。
教育現場、医療現場、職場、家庭、などなど、立場の関係
性は様々ですが、私たちは、頑張る人に対しては、支えて
あげたい、応援したい、もっと成長できるようにしてあげ
たい。などの気持ちを持ちます。が、この本にあるように、
「頑張れない人たち」もいるという事を忘れてはいけない
と思います。
なので、「頑張ったら支えてあげるよ。応えてあげるよ」
というスタンスでは、「頑張れない」人たちは支援の機会
を失ってしまうことになります。
著者は、このような少年たちの支えには、まずは支援者側
の意識に“頑張れない事が起きること“は折り込みづみにし
にし、そこには、諦めではなく、辛抱強さも必要ですが、
とにかく、そこに安定した態度でいかに関わることができ
るかという事が重要で、これが、当事者のやる気を引き出
す源になるのだと言います。
「これならやってみようか」「これならやってみて失敗し
たとしても、この支援者ならきっと結果に関わらず、しっ
かり見届けてくれるな」という気持ちを当事者が持つよう
になることで、失敗を恐れず、なにかにトライする気持ち
が持てるということです。
また、著者は見通し、目的、使命感という3つのやる気に
繋がる3つのポイントと、やる気を継続するための承認の
仕方にも触れています。
特に承認の仕方というのは、何でもポジティブに評価すれ
ばいいというものではないという事。よくある例として、
1週間のうち、必ず1回忘れ物をする事を悩む少年に、
残りの日は忘れていないのだからという承認の仕方は、
不安は取り除けるかもしれませんが、原因の解決には何も
役立っていないという事を理解しておかないといけないと
いう事です。
私の解釈としては、この方法が悪いのではなく、この対応
をするとしたら、さらにもう一歩踏み込んで、問題を解決
できる方法も考えていかないといけないという事だと個人
的には思ってます。
この本は著者の臨床経験の中にある、非行少年達のケース
を例に取っていますが、あらゆる場面や関係の「接する」
事の大事な事が書かれてあると思いました。
本の中では、「前作にもありましたが・・・」という説明
が何箇所か出てきますので、前編を読んでから、読まれる
ことをお勧めしますが、この作品から読まれても得るもの
はたくさんあると思います。興味のある方は、手に取って
読んでみてください。
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