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  • 『勝ち続ける選手を育てる最高峰の技術』

著者:谷口貴彦
出版社:DNAパブリッシング
発行年月日:2017年9月

こんにちは!Side&bisです。

日本のスポーツ界では、2020年の東京オリンピックに向けて、ハード面だけでなく、各種目別による選手の育成に力を入れているというのがニュース等で伝わってきます。
特にハード面は競技場や宿泊施設等、計画的に進めやすいものだと思いますが、選手の育成となると、人の育成、そして育成に携わる人材の質や技術など、すぐには行かない事ばかりです。

今日ご紹介の本は、特にスポーツ指導者に向けた内容になっています。

まずコーチをするにあたり、求められる事は、コミュニケーションです。毎日の報道にあるように、アメフトでのコーチの指示問題・・・色々な問題点が浮き彫りになっていますが、日本では“指導者のいう事に全て従い、自分の意見は言わない”という風土が根強かった事、そして今指導をしている人たちの多くは、現役選手時代にそういう風土の下で競技に打ち込んでいた事は、事実ではないかと思います。

ここに書かれてあるコミュニケーションは、コーチと選手の双方向で行うコミュニケーションであり、そして競技のための技術だけでなく、選手のパフォーマンスに影響する環境や生活にも行き届くような事までも含むものです。

コーチの語源は4輪の馬車を作った土地の名前からで、人を目的地まで支援して運んでいく手伝いをする人の事を指していたとのことで、本来「支える」という意味が含まれているようです。

「P(Performance)結果=P(Potential)潜在能力―I(impediment)障害」という方程式があり、コミュニケーションにより、選手のポテンシャルと障害を見つける事が結果につながるという事です。
また、質の高いコミュニケーションには、信頼関係が必要ですが、そのためには、絶対に安心できる関係・・・したがって、意見を言ってもそれを聞き入れてもらえる関係。
一人の人間として尊重してもらう関係という物が必要と書かれてあります。

コーチが選手を呼び寄せて何かを言う・・・こんな場面、よく見かけますよね・・・これは、コミュニケーションを取る場としては、選手に大きな緊張感を与えるようです。
コーチが選手の所に行き、声をかける。これは、選手に安心感を与える一つの手段ととらえる事が出来ます。

また、選手の優位感覚によって、コミュニケーションのスタイルを形成していくという方法もあるようです。聞いて覚える聴覚系、話す、書くで覚える言語感覚系、手足を動かし覚える触覚系、見て覚える視覚系。この方法一つとっても、コーチのやり方を押し付けず、選手のスタイルに合わせた工夫をするというものも大事だと思います。

 

そして、もう一つこの本では「目標」の捉え方についても重要だと書かれてあります。「目標」は「Management by Objectives」目標による管理と訳しますが、目標管理という意味の捉え方は、達成するかどうかを監視・監督するだけではなく、「より良くする」方法を考え、それを行動に移す事の管理をするという解釈が適切だと思われます。目標を立てたら、いつまでに~の時間設定、数値設定、そこまでの道のりに必要なものは具体的にしていく。然しながら、スポーツ界では、選手に選ばれる人は一握り、優勝できる人は1人と、とても厳しい世界です。目標がたとえ優勝だとしても、そこに向かっていくプロセスを踏んだ経験が必ず選手の成長には役立つものと思います。

 

この本は、スポーツ選手を育成するコーチに向けての本ですが、結局一人の人間の成長に関わるという事においては、どの業界、どの社会でも役に立つ内容と思います。きっとここに書かれてあるような、指導者が増えると、これからのスポーツ界は、多くの選手が世界で活躍するようになるのではないか・・・と、とても期待のもてる1冊でした。

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