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著者:石川拓治
発行年月日:2011年4月12日
出版社:株式会社 幻冬舎

こんにちは!Side&bisです。
今日は、どうしても読みたいと思っていた本。
やっと、読めました。。。

本の主人公は、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』
というドキュメンタリ―番組でも出演され、そして映画
にもなったリンゴ農家の木村秋則さんの実話です。

100%不可能と言われていた農薬を使わずにリンゴを
育てるという事を実現させた木村さんのお話です。
そもそも農薬なんてこの世に存在しなかった・・・でも、
リンゴって、アダムとイブの話にも登場するくらい、
大昔からある木の実・・・日本でも織田信長の時代から
書き物に残っているくらいなので、確かに、その当時
農薬なんて存在しなかったのに、リンゴの木はリンゴの
実を実らせ、人間に食べられていたということです。

農薬を使わないように、りんごを育てようとした理由は、
幾つかあるようですが、その一つは、木村さんの奥さん
が農薬散布の度に寝込むほど、体調を崩していたこと
だったそうです。
もともと、木村さんはモノづくり、機械をいじる事が
大好きだった人で、農家なんて興味が無かった人ですが、
婿養子に入った奥さんの実家が農家だった為、農家を
やむを得ずすることになったそうです。

無農薬でリンゴの木を育てようとする事を、私はもっと
簡単な事だと考えていましたが、木村さんのストーリーを
読むと、周りの(農薬を使っている)農家からの疎外感、
孤独感。りんごの木が思うようにみるみる枯れているのに、
どうすればいいのか答えの見つからない苦悩の連続、家族
を養わなければいけない一家の長なのに、貧困に陥ってい
る父親としての無能感。前例がないからこその苦しみが本当に
伝わって来ます。
結局、どうしようもなくなり、命を断とうとまで思い、
死に場所として選んで登った山に生えていた一本のどんぐりの木に
命を救われただけでなく、りんごの育て方やその後の
生き方までも教えてもらった不思議な巡り合わせ・・・
(実際には木村さんだったから、それを感じ取る事が出来た
のですが・・・)
本の表紙の写真の木村さんの笑顔からは、全く想像できない程
この痛烈な人生は、読んでいる私も苦しくなりました。

りんごの木を育てたことはありませんが、私たちは、
よく自然を守る。自然を育てる等と言ってますが、それは
間違えだとつくづく感じました。私たちは自然に生かされ
ているのだと思います。「自然療法」を唱えた福岡正信
氏が言われるように、“自然はもうそれ自体で完結したもの”で、
人間はそこに勝手に入り込んで、木を切ったり、家を建てたり、
良かれと思って雑草を抜いたり・・・しているだけで、実は自然
は私たちの力なんて本来は必要としていないのだと思いました。
その証拠にエジプトもメソポタミアもインダスも古代文明の繁栄
した土地は、人間が森林を伐採し自然を破壊したために、砂漠化
してるという実例があるそうです。
私たちは、砂漠化しないような技法を手にしたけど、着実に自然
のことを勘違いして、破壊しているのでしょうね。
木村さんの育てたリンゴは、農薬を使っていないので、様々な
微生物が住んでいるそうです。でも、それはリンゴが自分で成長
するために必要な微生物でもあり、リンゴが自分で自分の病気を
治すために、その微生物を使って自己治癒しているとのことです。
本は、木村さんの育てているリンゴとの関係が書かれてありますが、
リンゴだけではなく、人に対しての関係にも当てはまると思った
のは私だけではないと思います。
そして、木村さんの探求心と忍耐強さについては、本来の人間が
学習する上で必要な姿勢だという事をつくづく教えられたような
気がします。

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