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医療法人せのがわ

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今、一日が充実しています。とは言ってもこの充実感が、いつまで続くかと不安で一杯です。今日で退院、二ヶ月と二十日です。

覚せい剤を始めて一度やめて又、始めたのが約十九年前です。この十九年の間、覚せい剤をやめた日は今回が最高です。もう何回も悪い虫が騒ぎました。その度に刑務所の中や病院の保護室で
の辛い事を思い出して、もう二度と入りたくは無いという気持ちにさせていました。

幸いにも退院後すぐにソフトボールの練習が始まり、まずはこれからクリアーしていかなければと自分自身に毎日、言い聞かせて頑張って無事に終わらせました。試合の方は我がチームの優勝でしたが、例年に無く弱いチームだったのでその喜びは今まで以上のものでした。チーム自体の総合力が今一だった分、全員が一生懸命になり最後には緊張感もあまりなくいつもの練習どうりに試合に向けられたのだと思います。今の私には何事にも平常心が一番で、気を高めたりすると悪い虫が騒ぎだし沈めるのが一苦労です。以前に書いたように退院後に一度、興奮している時に酒を飲んでしまいどうしようもなく薬がほしくなり大変だったことを、今でもいい教訓にして同じ事を繰り返さないように生活しています。

今の私にはディケアに通うことが会社に行っているのと一緒だと考えています。先日、友達が捕まりました。仲が良い友達でしたが、最近時々電話が掛かってきて「どっか、覚せい剤を売っとる所を知らん。」と、よく聞かれました。その度に知らんと言って、電話を切っていましたがまさかこんなに早く捕まる事になるとは思いませんでした。以前までは、この友達も娑婆では長く持っていた方なんですが、最近は薬を求める期間が短くなってきました。私達のように薬を何年もやっていたらだんだんと、薬から遠のく期間が短くなってくるんでしょうね。この
友達は来年の正月は檻の中です。「残念です」。私はこの十九年の間、娑婆で正月を迎えた事はありません。絶対に今度こそは迎えて、お袋を喜ばしてやりたいと思ってます。

最後にこの間もう一人の友達が私に良い事を言ってくれた言葉を書きます。「お金も無く、薬もなかなか手に入らない時のことを考えたら、もうやりたくは無い」。と、言ってました。その言葉のとうり、今の私もその辛さと色々と支えてくれている人を裏切る事を考えたら、この先覚せい剤を打ちたくは無いと、今思っています。覚せい剤無き日を、この先もっともっと延ばしていこうと今、決意しています。