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  • 『がんサバイバーーある若手医師のがん闘病記』Vol.115

著者:フィッツヒュー・モラン
翻訳:改田明子
発行年月日:2017年5月31日
出版社:株式会社ちとせプレス

 

こんにちは!Side&bisです。

本書は、もともと30年以上前に
アメリカで出版されたものです。
それが、最近になって、翻訳を
され日本に届けられる事にな
りました。

著者は、当時32歳で妻と幼い娘
と三人で生活をしていました。
職業は医師。
患者になった医師は、人間として、
どんな事を感じ、どうがんと向き
合っているのか。
本書には、細かい描写として書か
れてあります。
それも、毎日の日記のようにスト
ーリー性があり、がんと診断され
てからの気持ちの揺れ動き、周り
の人の反応。手術に化学療法など
の治療の心身への影響、そして同
じ病を持つもので構成される自助
グループの中での実際に交わされ
た会話、やそこから受けた安心感。
回復するにつれて復職、妻が二人
目の子供を妊娠した時の希望や、
やるせなさなど。

特に、医療従事者として、普段どん
なに患者の立場を考えて治療に当た
っていると思っていても、患者の立
場になった時に感じる治療者への印
象は異なるという体験などは、何が
正解かはわからないにしても、軽ん
じてはいけない体験が書かれてある
と思いました。

がんサバイバーというのは、がんに
打ち勝った人という意味ではなく、
がんと診断された人全てであって、
決して復職した人とか、退院をした
人とか、そういう意味ではなく、
がんと闘いながら、向き合いながら
生きていく人なのだと思います。
著者は、サバイバルの時期を急性期、
延長期、長期安定期と3段階に分け
て説明してあります。

以前の様に、がんは治療不能のもの
という考えはなくなり、最近では、
慢性疾患という考え方になっていま
すが、それでも著者は、再発の不安
に日々怯えながら生活していたこと
は、サバイバルの3段階が決して回
復に向かう一方通行のものではない
という事がわかります。

著者は、自らの経験を元に、がん
闘病中方への励まし合いやサポート
の必要性を痛感し、全米のがんサバ
イバーシップ連合を立ち上げ、初代
会長を務めています。この本は、が
ん患者さんやその家族に向けている
だけでなく、他の疾患についても、
病気と診断された患者さんの心の動
きには、ともすると重なる部分もあり、
本質的なところは変わらないのではな
いか?と考えさせられる一冊でした

 

 

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