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『「私」から始める支援の実践』
著者・編集:花園大学人権教育センター
出版社:批評社
発行年月日:2020年3月20日
こんにちは!Side&bisです。
今回ご紹介する著書は、花園大学公開研究の講演録「花園大学人権論集」になります。
本の厚みはないのですが、7人の講師による講演や研究テーマは、実践されている生の体験や声が文字になっている事から
内容は大変濃いものでした。
中でも、ご紹介したいのは、玉城ちはるさんの講演「命の参観日」。玉城さんの生い立ちから、ホストマザーとして日本、韓国、中国の(なんと)36人もの子供たちを
育てられた経験による多文化共生についてのお話しは、様々な国籍の子どもたちと一緒に暮らす事で、知ることになる「違い」を受け入れ、そして受け入れてもらうこと。
実践してこられた多文化共生の暮らし。
違いを認め合うって、言葉でいう程簡単ではないという事。その違いを分かり合うためには、正直な気持ちを言葉にする事、そして相手の全てを受けとめる
という実にシンプルですが、意外に難しい永遠のテーマに向き合ってこられた事が伝わってきます。
玉城さんの講演の中ではフロアーとの間で、「やさしさ貯金ゲーム」というものがあります。フロアからギャラリー2人に出てきてもらい、
「直してほしいこと」「いいところ」をお互い伝えあった後、「有難う、ごめんなさい、大好き」という、ちょっと恥ずかしい、ぶっつけ本番ゲームです。
そんなご講演をされていますが、玉城さんは芸能人・歌手です。本来ならそんな肩書があれば、表向きにだけ良く見せることはいくらでも出来るのでは?
と思いますが、ご本人の行動と発言は全く裏も表も無く、まっすぐです。その証拠に「いつでも、誰でも相談して下さいね」と発信を絶えず行い、
2000人の人とLINEで繋がり、多い時で1日280通くらいのメールを受けているとのこと。芸能人だからやっているとか、表面的な親切心でやっている、
というレベルではなく人間として一緒に泣いたり笑ったり、励ましたり、勇気づけられたりをやっておられる、そういった実践が、この「命の参観日」
という公演として全国の学校で受け入れられ、そして、子どもたちや大人たちの心を動かす事に繋がっているのだと思います。
やはり熱意を持って実践している人の言葉は心に響きます!
生の「命の参観日」は現在のコロナウィルス感染拡大防止のためお休み中だそうですが、状況が落ち着いたら、是非聞きたい講演だと思いました。
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