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  • 『ケーキの切れない非行少年たち』

著者:宮口幸治
発行年月日:2019年7月26日
出版社:新潮新書

こんにちは、Side&bisです。
今回の本の著者は、病院臨床の経験後、少年院で法務技官をしていた精神科医です。
ある非行少年の治療にあたった時に、発達障害や知的障害を持つ子ども達で、認知機能に問題がある場合、認知行動療法が効かないという
体験が、この本を書くきっかけになったとの事。
見る、書く、想像力が弱い。そして、ケーキを3人で食べるための3等分ができない。そういった非行少年達が、非行に至るまでに味わった
挫折や生きにくさを扱う事が出来なかった、教育現場の実情やそれらにただ、ただ、反省を求める事の無意味さ等、衝撃の事実が数多く書かれてあります。
彼らは、プライドが異常に高いか、極端に自信がないといった歪んだ自己評価があり、それらは不適切な対人関係から作られるとの事です。
異性との問題、就職してからのミスの連続、そして適応のまずさや、不器用さから、虐めや攻撃に合う事も・・・しかし、その多くが医療現場では、
「知的に問題はない」と言われ、医療の対象からは外れてしまっている事も現在の問題点として挙げられています。また、アメリカでは、実際の犯罪者の脳の画像診断や
死後の解剖から、脳腫瘍が暴力的衝動行為をもたらしている事が示唆され、神経学的な損傷が要因として含まれた場合の犯罪リスクについても興味深い内容でした。
本の末尾には、実際に施行されている子どもの心を傷つけない認知機能トレーニングの紹介もあり、教育現場や医療現場、矯正施設のほか、小児のお子さんを見ておられる
施設の方々には、参考になる情報も書かれています。
非行という事象を、紋切り型に判断してしまわない為にも、子どもに関係するお仕事をされている方には、勉強になる1冊だと思います。

 

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