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  • 『果糖中毒』~19億人が太りすぎの世界はどのように生まれたのか?~

著者:ロバート・H・ラスティッグ
翻訳:中里京子
出版社:ダイヤモンド社
出版年月日:2018年9月13

 

こんにちは!Side&bisです。

食事にまつわる本のご紹介は、これまでも何冊かしてきましたが、本書もなかなかディープな所までの解説が書かれており、読み応えのある内容になっています。

というのも、著者は、肥満を引き起こす正体は何か?実際には、約2万2千年前からあったとされるヴィンドルフのヴィーナス像は、凄い肥満体形であって、ファストフードが生まれる前から肥満はあったという事を考えると、肥満を引き起こす原因は、単に現代の食生活や食品の環境が原因という事は言い切れないという興味深い話からこの本は始まります。

食品を取った実際の流れとして、食物(カロリー)を摂取したら、胃、小腸と2段階に分かれて消化され、食物脂肪が脂肪酸に分解、食物たんぱく質はアミノ酸に、炭水化物は単糖としてブドウ糖と
果糖に・・・と色々と分解され、その後はアミノ酸と単糖は門脈に、脂肪酸はリンパに流れて行き、肝臓・膵臓をとおり、最終的に余分な脂肪酸が血中脂質となり、中性脂肪として溜められてしまう。
というプロセス・・・(長いストーリーです・・・)

結局、なんの体の足しにもならない、ベトベトした中性脂肪が、体の中に蓄積していく事について、警告を発しているということが、この本のテーマの1つであると同時に、カロリーは皆同じ働きをするのではなく、何の食べ物から摂取しているカロリーなのか?という事を知る事が重要だと書かれてあります。

砂糖といっても、その種類には、56種類あり、そのリストが掲載されています。低糖で自然界の果糖であるサトウキビ、フルーツ、野菜、ミツバチから運ばれる蜜等は、肥満への悪影響が少ないとしてあり、逆に、低カロリーとか、ゼロカロリーとか表記してある者でも、隠れ糖分として存在する事が多々ある事に注意を払う事は、これまでご紹介してきた文献と同様にかかれてありました。
できれば、生鮮食品を購入する事や、ラベルが付いていないモノ(野菜、魚、肉等)を積極的に購入し、腐らないモノに関しては、色々な成分が入っている事を考えると、極力避ける事。

そして、最後に著者が伝えたい事として、市民の声がルールを変えることが出来る。正しい食品についての市民からの声をボトムアップの形で政府に上げる勇気をもって欲しいと書かれてありました。

最近はコンビニやスーパー、様々な出来合いの食品があります。それも、バラエティに富んで、選ぶのも大変なぐらい・・・とても便利な世の中で、私たちのお腹も簡単に満たされていますが、一方でこの本にあるような肥満の問題、そして食品ロスの問題もよく耳にするようになりました。一人一人がまずは、正しい知識をもって、行動する事ができれば、こういった社会環境の改善する糸口になるのでは・・・と思うきっかけになる1冊です。

 

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