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医療法人せのがわ

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敬老の日の連休でした。シルバーウィークとも呼ばれる秋の大型連休となって

いますね。広島では『べてる』のみなさんを呼んでお祭りの一週間です。。。

     

 先週、映画『人生、ここにあり!』を観て来ました。

ピアの仲間が新聞で見つけて来た記事で、イタリアの精神病院を全撤廃した時

の映画があると言われてネットで調べたのがつい先月の話でした。残念ながら

中・四国地方では上映されていない作品でしたが、それを無料上映すると聞い

て、岩国まで仲間と映画を観に行って来ました。この映画、とっても良かったです。

DVDになったら購入したいくらいの作品でした。

精神病患者とその人を取り巻く周囲の人たちの喜怒哀楽が描かれていて、

とても為になる映画でした。上映後、『ルポ・精神科病棟』でも

有名なジャーナリストの大熊一夫さんの講演もありました。

東大出身の大熊一夫さんはアルコール依存症を装って精神病院に入院して、

その鉄格子の中の様子をリアルにリポートされたらしいです。その時代、

1960年から1970年にかけてイタリアでは精神病院を撤廃する動きが出

て来て、日本では逆に精神科のベッドの数が増えて行ったのだとか。

イタリアの精神保健改革の立役者のフランコ・バザーリアが大学教授から精神

病院の院長に就任することで精神科の病院の実態を知り、やがて彼を慕う精神

科医や臨床心理士たちを集めて北イタリア地方から改革を進めて行ったらしいです。

イタリアでも簡単に精神病院を全撤廃出来た訳ではなくて、24時間対応の

地域の精神科救急センターがあって、行政とか法律を変えてからの動きらしいです。

確かにアメリカなど海外の精神科では地域医療が最先端みたいですし、日本で

も長期入院者を地域に出す動きもありますね。もう、鉄格子の中での隔離した

精神病棟も要らない時代になっていると大熊一夫さんも言われていました。

しかし、海外の精神科での地域医療もサポートする地域の理解や体制が整って

いるからこそで、まだまだ日本では壁を感じます。今回観た映画の中にも精神

病患者が一般人に暴力を振るったり、自殺してしまったりと不慮の事故も起こ

るのが現実と言う生々しい場面もありました。しかし、この映画では障害者が

自立して生活するための心構えや努力、また社会に認められると恋や恋愛も出

来るなど夢も描かれていました。『働く』と言うことがどれほど困難で責任と

義務が伸し掛かって来るか、しかし、その壁を超えると夢が叶うなど本当に

精神障害者の人生が描かれている作品だと思いました。今年の冬には、

またイタリア映画で『ふたつめの影』と言う作品も上映されるらしいです。

世界で最初に精神病院を無くした国イタリア、その世界観に触れられるのは

とても勉強になります。。。

 

 普段の晩酌は安くつく焼酎なんですが、最近は最初の一杯だけ発泡酒を飲む

ことが小さな贅沢です。いろいろな種類を購入して来て味見しています。。。